悪魔のいけにえのまとめ
■登場人物
- フランクリン:サリーの兄。日本語版ではリーダー格の男。子供っぽく、アスペルガー的な要素を持ち合わせている。
- サリー:フランクリンの妹。可愛くて品があり愛嬌がある。70年代的キャラクター
- パム:占星術ができる占い女。小悪魔的な女子。
- カーク:フランクリンの世話をしているイケメン。70年代の少女漫画に出てくるような、欠点の見当たらない男性。
- ジェリー:カリフラワーみたいな髪をしている。フランクリを脅かしたり、イタズラ好き。
- ヒッチハイカー:精肉所の次男。キチ◯イで狭い世界にいる人間。一般人の感性とかけ離れている。
- レザーフェイス:電動ノコギリを持った男。自閉症的な性格で他者とコミュニケーションを取るのが難しい
- キ◯ガイおやじ:まともに見えるが快楽主義者で他者に対しては容赦無い。
- キ◯ガイおじいちゃん:老齢で妖怪みたいな容貌。ボケて死んでるように見えるが、一応生きている。
■物語の流れ
- 冒頭、テキサスで起きた異常性のあるニュースをキャストが話す。
- 暑い夏、5人の若者を乗せた一台のバンが、テキサスの田舎道を走行。サリーとフランクリンが昔住んでいた家に行くため。
- 途中おじいちゃんの墓参りに行く。行き倒れの酔っ払いがおり、先行きの不安さを煽る。
- 墓参りが終わり、本来の道を進んでるとヒッチハイカーに出会う。
- ヒッチハイカーと語ってると、突如フランクリンのナイフを取り上げ、自分の手の平を切りつける。
- 5人がドン引きした後、ヒッチハイカーがフランクリンらの写真を撮り、お金を請求。
- 突っぱねると、突然ヒッチハイカーがフランクリンの右腕を切りつける。
- 阿鼻叫喚の展開から、ヒッチハイカーを車から追い出し、ガソリンスタンドに行く。そこでキ◯ガイおやじに会い、勝手に人の家に入らないほうがいいとアドバイスを貰う。
- フランクリンが、先ほどのヒッチハイカーのことでトラウマになる。
- 昔住んでいた住居に行くと、障害者であるフランクリンを抜け者にして4人で楽しく語り合う。
- 嫉妬したフランクリンは子供のように拗ねる。
- 2階からカークとパムが楽しく降りてきて、フランクリンに水浴びができる場所を尋ねる。フランクリンは裏庭の池を教える。
- パムとカークが池に行ってみると連日の猛暑で池が干からびていた。
- 仕方なく、2人は道なりを歩いていると異様な一軒家に辿り着く。
- カークが家の住人に尋ねると反応がない。パムは近くのベンチに腰を下ろす。
- カークが勝手に入って行くと、突如レザーフェイスが現れ、頭をハンマーで殴られて、殺される。
- カークの帰りが遅いのでパムが侵入すると、動物の死骸が散乱していてパニックになる。そこにレザーフェイスがパムを拐い、肉を吊り下げる用のフックに背中を刺さす。
- 夕方になり、帰りの遅いパムとカークを心配して皆で探す。
- 途方にくれてると、ジェリーがフランクリを怯えさせる。その後ジェリー1人で探しに行く。
- ジェリーがレザーフェースが住んでいた家に辿り着く。
- 家に不法侵入して地下室の氷クーラーボックスを開けると、パムが飛び出してくる。
- ジェリーの背後から、突然奇声がする。ジェリーは驚いて後を振り返るとレザーフェースにハンマーで撲殺される。
- 月夜になる。ジェリーも帰ってこず、フランクリンとサリーは動揺する。
- 兄弟げんかの末、フランクリンとサリーは一緒に3人を探しに行く。
- 夜道を進んでると突然レザーフェイスが現れ、持っていたチェインソーでフランクリを切り裂く。
- サリーは驚いて逃げ出す。
- レザーフェースがどこまでも追いかけていく。
- サリーは、なんとかガソリンスタンドに辿り着く。レザーフェイスは追ってこない。
- 昼に出会ったキ◯ガイおやじが居て助けを求める。
- キ◯ガイおやじは豹変し、サリーの頭に麻袋を被せ、車に無理やり乗せる。
- サリーが目を覚ますと、椅子に縛れていた。キチガイおやじと、レザーフェイス、ヒッチハイカーと食卓台を囲んでいる。
- キ◯ガイ一家におちょくられる。
- サリーはキ◯ガイ一家に押さえつけられて、干からびたキ◯ガイおじいちゃんに頭をハンマーで殴られ続ける。
- サリーは隙をみて家から逃げ出す。ヒッチハイカーとレザーフェスが追ってくる。
- 公道に出たサリーは通りがかかる車に助けを求める。
- 追ってきたヒッチハイカーは、通りかかったトラックに轢かれて死ぬ。
- トラックの運転手に、サリーは助けを求める。
- トラックの運転手はレザーフェイスにスパナを投げつけ、レザーフェイスは転倒する。その拍子に持っていたチェーンソーを自分の足に落とし切りつける。
- 運転手はトラックを捨てて逃げ出し、サリーは通りかかった車の荷台に載って逃げ出す。
- 途中、レザーフェースが持ち直して追いかけてくるが、サリーは逃げ切る。車の荷台で高らかに笑う。
■印象に残ったシーン
- 冒頭のナレーションでシャッターを押すシーンと死体の映像が映し出されるところ
- フランクリンが、丘でおしっこをしてる時、突風で飛ばされ転がり落ちるシーン
- 酔っぱらいの戯言
- 酔っぱらいを見たフランクリンが何も喋らず、バンの奥に車いすを引っ込めるところ
- フランクリンが屠殺に付いて身振り手振りを使って説明してるところ
- ヒッチハイカーが自分の手のひらを切りつける
- ヒッチハイカーがフランクリンの腕を切りつけるところ
- バンを追い出されたヒッチハイカーが両手を広げて幸せそうにしてるところ
- バンに血を付けらた箇所をフランクリンがウィンナーを加えながらぶっぶっ言ってるところ
- フランクリンが拗ねてツバを吐きかけるところ
- フランクリンが廃屋でパムとカークを見送ったあと、天上に骨を見つけて驚いているところ
- カークがパムに抜けた歯を手渡しパムが引いたところ
- 骨が飾られている戸からレザーフェースが出てきてカークの頭に一撃を加えたところ
- ジェリーがフランクリンを脅して、フランクリンが動揺してるところ
- ジェリーがレザーフェースに見て、驚き奇声を上げたところ
- サリーとフランクリンの一緒に行くか行かないかのやりとりが非常にうざい
- フランクリンがレザーフェースのチェーンソーで胴体から切りつけられたところ
- レザーフェースに追っかけられるサリー
- キ◯ガイおやじにホウキで叩かれるサリー
- キ◯ガイ一家に囲まれた発狂するサリー
- おじいちゃんにハンマーで殴られるサリー
- ヒッチハイカーがトラックに轢かれるところ
- 血まみれになり狂気じみた笑いして逃げ出すサリー
- 狂ったようにチェーンソーを振り回すレザーフェー
■感想
ホラー映画の金字塔を打ち立てた悪魔のいけにえのレビューです。
悪魔のいけにえというと、エド・ゲイン猟奇的事件のモデル(トビー・フーパーはそうは思ってないです)にしたという煽り通り、とってもスプラッターな内容です。
それゆえ、オドロオドロしいものになりますが、あまりにも行き過ぎてるため、境界線を越えて、お笑いになっています。これは松本人志が、お笑いを突き詰めるとホラーになると言っていましたが、その逆バージョなんだと解釈しました。
世間の一般常識が下がり、常識の基盤がゆるくなったため、まったくの異世界の話ではなくなっているんだと思います。
ダウンタウンのシュルレアリスムに慣れ親しんだ幼少期がある人なら、オドロオドロしい空間が、なんとなく有り得る日常になります。そして、キ◯ガイ一家の行動が笑えてくるんだと思います。
ダウンタウン以前なら、そう考えられなかったはずです。時代の流れは人の価値観を変えるんだなとつくづく思います。
あと、悪魔のいけにから伝わってくるのは、不条理さでしょうか。こちらは善悪問わず一般人が巻き込まれていくのですが、そこだけ怖いです。
今となっては、ホラー映画の当然のコンセプトですが、この当時は珍しかったのでは無いのでしょうか?
アメリカの映画の場合、民主主義の理解のため、善悪の区別を国民につけて貰うようにしてあったと思います。そのため悪いことをしたら、報いを受ける内容になっていたはずですが、その根底が覆ってるわけです。
もう善悪関係なく、巻き込まれていきます。
そう見ると、悪魔のいけにえは、お笑いと怖さのアンサンブル具合が絶妙で、非常にバランスが良いオススメの映画です。