改めてマッドマックス怒りのデスロード

マッドマックス初観では、呆気に取られて何が面白いかわからなくて底評価を下してたんですが、やたら世間の評価が良いため、自分の見方が間違ってるんじゃないかと思い、改めてマッドマックス怒りのデスロード観に行きました。

 

ハリウッド映画の偏見のせいで、アクションシーンだけをこれでもかと繋げた映像だけだと思い、ゲンナリしてたんです。ただ、2度観でその作品に込められたメタファーに気付きました。単純なストーリー構成だけど実は深い。そして、アクションてんこ盛りのエンタメなのがマッドマックスなのです。

 

マッドマックスの物語は三部構成になっており、目的に向かってカーチェースをする様は、まさに人生そのものだと思いました。

第1部はシステムによって統治されている中で自我に目覚め、理想のため行動に移す。

第2部は目的のため試練に立ち向かい、絶望する。

第3部は絶望と向き合い反撃し、理想を叶える。

 この3ステップの勇気と行動が、物語の王道で最高でした。 あまりにもストレートで清々しかったです。

 

マックス:序盤の自己紹介早々、意思を持たぬ道具として扱われ、暴力の渦中、他者が決めた選択で右往左往し、その拘束を解くためもがき苦しむ。現代社会の歯車そのものです。

 

フィリオサ:自分の理想のために戦っています。誰しも持ち合わせている普遍性だと思います。2部構成の終りで絶望する様が秀逸です。理想のためにイモータン・ジョーから逃げ出し、希望を抱いた目的地進むも、絶望してしまいます。そして、現実を受け入れ立ち上がる様は、現実社会あらゆるところでみかけます。自分は失敗した起業家のように見え、身近に感じました。

 

5人の嫁;子産み女として、道具として扱われている。貞操帯をつけられ、役割を押し付けられてきたが理想のためフィリオサと一緒に行動する。もっと抽象度があがって世の中の意識を変える存在。

 

ニュークスは狂信的なシステムの中で、その世界が全てだと思わされていた純情な青年です。マックスとともに行動するようになって、いろんな価値観に気付き、自我に目覚めて行動するようになり、大人の階段に登る成長劇があります。

 

こう親近感がでてくると、アクションや演出どれもリアルティーが湧いてきて、マックスと共に手に汗を握る展開になりましたw

前回は単純に感情移入できなかったのが問題でした。なんか遠い世界の子供騙し的な世界観のように感じられて、自分には関係ないもん!ってなってしまったんです。

 

マックスやフィリオサの行動にカタルシスを感じられ本当に楽しかった。ジョージ・ミラー監督、マイケルベイと一緒にして申し訳ございませんでした。