クリード チャンプを継ぐ男感想 (ネタバレ)
正直、ロッキーシリーズで裏切られたことはなかったものの、今回スピンオフということで少々不安だったです。ですが結果は最高でした。今年はマッドマックスと肩を並べるぐらい揺さぶられました。
■ストーリー
- 主人公アドニス・クリードが収監されている施設に本妻が訪れアドニスを引き取る
- 大人になったアドニスは、尊敬している亡き父の影響でメキシコで17戦連勝するぐらいのボクサーになっていたが、同じジムに所属する先輩に打ちのめされる。昇進も決まっていた仕事を蹴り、本妻と絶縁してまでプロボクサーを目指す。
- プロのコーチになってもらうため遥々フィラルディフィアへロッキーに会いに行くが、コーチを断られる。
- 安アパートに泊まっていると下の階から騒音が聞こえて、寝れず注意しに行き、ビアンカと知り合う。
- ロッキーが所属していたジムに行くが、コーチになる人はいなくロッキーに簡単な練習の仕方を教えてもらう
- 1度はコーチを断ったもののロッキーがアドニスの素質を見抜き、アドニスのコーチをすることを決める
- ビアンカのライブを見て、ビアンカに惹かれデートに誘う。進行性難聴の事実を知るが、ビアンカと恋人同士になる
- ロッキーの所属していたジムの同門対決で、同門を打ち負かすが、アドニスが実はアポロの息子だという事を世間に周知される。
- アドニスがアポロの息子だということを知った、ヘビー級チャンピオンのコーチが話題の為、アドニスにコンランと挑戦するように言い寄ってくる。
- ロッキーは断ったがアドニスに負けて、試合に出すことを決める
- 練習中ロッキーが倒れる
- 病院の診断の結果ロッキーは癌だと知らされるが、癌治療を拒否する。
- 事実を知ったアドニスは治療を進めるがロッキーに拒否される。信頼されてないとヤケクソになり、ビアンカのライブで喧嘩をふっかけた客をぶちのめし警察署に収監させる
- やってきたロッキーに思いのたけをぶつけ、一緒に戦うことを誓わせる
- ロッキーは癌と戦い、アドニスは世界戦に向けて自分と戦う
- ヘビーチャンピオンのコンランに負けたが自分との戦いに勝つ
■キャラクター
- アドニス:イケメンで頭が良い。ロッキーとは真逆で器用なタイプ。父アポロの影を追いかけており、その思いは強い。
- ビアンカ:プロのミュージシャン。ブラックミュージックに出てくる典型的なセクシーさと達観したような物腰。進行性難聴を患っている。
- ロッキー:かつての国民的な世界チャンピオン。
- コンラン:ヘビー級チャンピオン。頭に血が登りやすく、アドニスのような親の七光りで渡ってきたアドニスを快く思っていない。
本作はスタローンが監督じゃなく新進気鋭のクーグラー監督です。なんと29歳!フルートベールの駅で短編デビューを果たし、今回が初めての長編デビューです。共同で脚本を書いたので、物語を作る実力はわからないですが、カメラワークや演出は本当に良く出来ています。
シリーズで重要な役目を担っているBGMは、今回ほぼオリジナル。最初はどうかなかと思っていましたが、オリジナルに負けないシンプルさとインパクトがあり、直ぐに思い出せます。さらにラストシーンで1回オリジナルが流れ、カタルシスを感じられる仕様になっています。
物語の主要メンバー全員戦っていて、登場人物みんな共感できました。ビアンカは進行性難聴、ロッキーは癌、コンランは名誉。各々が戦い、熱くさせてくれます。
あと今回も泣きポイントも多かったです。
ロッキーの「残りの人生ダラダラと生きるより、家族と1日一緒に暮らせることを選ぶ」というセリフが一々リアルすぎて号泣w
アドニスがビアンカと青春しているのもいい。必然性があってダラダラ見させられ続けられる気恥ずかしさが無く、しんみり。
コンランに倒されたあと、フラッシュバックでお父さんの事を思い出し蘇るところなんて、これまでの伏線とうまいことガッチして、ここも泣きそうでしたw
昨年の締めくくりとして最高でした。
2015年のオススメの一本です。